後藤完夫氏のタッチフットボール・コンセプト7選
去る4月9日、アメフット誌「タッチダウン」創業者、アメフット解説者の後藤完夫氏が逝去されました。
後藤さんは、アメリカンフットボールへの理解を深め、裾野を拡大する有効な方法として、アメリカで見た誰もが楽しめるタッチフットボールを日本に紹介することを考え、NCAAルールをもとに6人制規則を明文化し、日本タッチフットボール協会の設立・運営に尽力されました。
写真の出所:nikkansports.com:アメフット解説者の後藤完夫さん死去 75歳 - スポーツ : 日刊スポーツ
在りし日を偲び、日本タッチフットの育ての親、後藤さんのタッチフットボール・コンセプトの言葉をいくつか紹介します。
- 1. みんなが親しめるフットボールを
- 2. 広くタッチダウンの魅力を
- 3. アメリカの人気スポーツと文化を日本に
- 4. フットボールシーンの爽快感を
- 5. 人も場所も選ばず楽しもう
- 6. 戦術を工夫して楽しもう
- 7. 大切なのは、スピード感、スマートさ、笑顔
- 「みんな楽しそうだよね」という後藤さん
- 25年の月日
1. みんなが親しめるフットボールを
(タッチフットボールは)フットボールの競技規則を知らない、 スポーツに興味はあるが、定期的な運動はしていない、普通の青年男女を対象にしてあります。フィットネス・スポーツとして、生涯スポーツとして、年齢性別を越えて親しんでもらうのが目的です。6人制タッチフットボール競技規則
生涯スポーツと市民的運営で、女性のフットボール理解促進を目標に、普及当初は「レディース・タッチフット」という言葉も多く使っていました。
2. 広くタッチダウンの魅力を
「タッチダウンの爽快感をなるべく多く味わってもらいたいのです」アメリカンタッチ&フラッグフットボール入門, 後藤完夫著, タッチダウン, 1998.
後藤さんといえば、月刊タッチダウンの創刊とNFL中継の解説で知られていますが、ひとことでいえば「タッチダウンの魅力」を広め「タッチダウンの楽しみ」を広く提供した方ではなかったかと思います。
3. アメリカの人気スポーツと文化を日本に
「クリーンでカラフル、しかもアメフット独特の知的な戦術や華麗なロングパスを、安全に楽しめるタッチフットボールは、米国カレッジキャンパスでのナンバーワンスポーツです」タッチダウンNFL, No.11, 1992.
富田氏や鳩山氏の(留学時の)経験にも似て、私もアメリカの留学生から公園での遊び方(Five alligator ruleなど)を教わって一緒に遊んだことがあります。
4. フットボールシーンの爽快感を
「緑の芝、爽快な風、カラフルなアクション、そして華やかなロングパス」前掲書
後藤さんはマガジン的感覚にフットボールシーンを切り取っていて、フットボールの景色を広く伝えたかったように思えます。
5. 人も場所も選ばず楽しもう
「誰でも、何処でも、何時までも、アメリカンフットボールの魅力が親しめるのが、タッチフットボールそしてフラッグフットボールです。公園やキャンパスで是非プレーを楽しんで下さい。」前掲書
ボールひとつあれば、手軽に本当に楽しめるスポーツです。
6. 戦術を工夫して楽しもう
「理想の戦術がチームの闘志をもりたてます。絶対的な運動能力を誇り合うより、同じ能力同士が戦術のやりとりで楽しむのが、タッチフットならではの魅力でしょう」 前掲書
大会ではアスリート能力の優位性もありますが、タッチフットではやはり戦術的なゲームが推奨されます。
7. 大切なのは、スピード感、スマートさ、笑顔
「Speed, Smart, Smile」
「みんな楽しそうだよね」という後藤さん
選手一人一人のプレーをよく見て評価してくれた後藤さん
いただく手紙には「G」のサイン
25年の月日
今日は第25回シュガーボウルです。
— ISHIDA フットボール×タッチ🏈🙌 (@LIBE21_SPEX) May 21, 2016
大会前には後藤会長も「もう25年なんだね」と感慨深い様子でした。 #タッチフット #シュガーボウル #JTFA pic.twitter.com/y1OXbVLcbf